目元の治療コラム

  • 2021.07.08
    • 眼瞼下垂

コンタクトレンズで眼瞼下垂に?目が開きにくいと感じているあなたへ

コンタクトレンズを指に乗せている女性

目次

眼瞼下垂の治療を受けられる方には加齢が原因と考えられる40代以降の中高年の方に加え、最近では20代30代の方も増えています。まだ若い年齢の方が目が開きにくいと訴えているのはいったいなぜなのでしょうか?神戸アカデミアクリニックにおける一例を見てみましょう。

コンタクトレンズ使用と眼瞼下垂

年齢に関係なく現れる眼瞼下垂

コンタクト使用歴10年の40代女性Aさんは、どんなにメイクをしても「いつも眠そうだね」と友人に言われることが多く、鏡を見るたびにまぶたが垂れて下がってきた気がすると気になっていました。最近ではひどい肩こりや頭痛の症状も続いており、40代のAさんとしては加齢が原因だとは考えたくなかったものの「もしかして眼瞼下垂ではないだろうか?」と悩み、とにかく目の開けにくさと体の不調をどうにかしたいと受診したのです。

問診票に記入していただいた生活習慣と医師の診察を総合して判断した結果、なんとコンタクトレンズの使用が原因の一つだと考えられることが判明しました。

コンタクトレンズの使用が原因で眼瞼下垂の症状が現れたAさんのような症例は実は少なくありません。コンタクトレンズの使用と眼瞼下垂の関係は医学論文によって発表されているのです。特にハードコンタクトレンズの使用は眼瞼下垂になりやすいリスクの高い因子であることがわかっており、ハードコンタクトを使用している人は使用していない人よりも約20倍もの高い確率で眼瞼下垂になりやすいという報告があります。

コンタクトレンズで皮膚が老化する?

どの種類のコンタクトレンズでも目に直接装着するということは共通ですので、「コンタクトレンズは異物である」という意識を常に持たなければなりません。ハードコンタクトレンズを使用している場合、レンズそのものが眼瞼下垂の症状を引き起こすのではないかという指摘があります。

レンズを装着していると、1日の間に瞬きをする回数はおよそ1万5000回と言われています。ハードコンタクトレンズという異物を装着したまま瞬きをすることになるため、使用を長期間続けていると上まぶたを支えている筋肉である挙筋腱膜やミュラー筋の収縮力が低下してまぶたが下がりやすくなると考えられます。まぶたの老化現象がコンタクトレンズの長期使用で早く進んでしまったのです。

Aさんの場合もこのような原因が当てはまると考えられるため、伸び縮みする力がなくなった挙筋腱膜を修復する手術を行うことで改善を図りました。まぶたを正常な位置に戻すことで目を開く力を取り戻し、「眠そうな目」から脱却することができたのです。

問題はコンタクトレンズの使用方法

視力が悪い方にとってコンタクトレンズは日常生活に欠かせない存在であることは間違いありません。眼科医の指導に沿って正しい使い方を守ることが非常に大切です。

コンタクトレンズをつけたまま眠ってしまったり、装用時間を無視して長時間使用する日が続いたりと目に負担のかかる生活をしていると眼瞼下垂を引き起こしてしまいます。眼瞼下垂だけでなく角膜の病気や頭痛・肩こりなど体の不調にもつながる可能性がありますので、可能ならば装用する時間を少なめにしてメガネの使用時間を増やし、眼科医で定期的に目の状態を確認してもらいましょう。

アイプチはダメ?眼瞼下垂になりやすいメイクとは

アイメイクに欠かせない人気商品も原因に

メガネとコンタクトレンズ

さて、次に20代女性Bさんが眼瞼下垂になった原因はアイプチです。20代の女性なのでメイクを日常的にしており、一重がコンプレックスだったBさんは毎日アイプチをして二重まぶたにしていたのです。まぶたへのりやテープといった異物を付けて目の形を二重に変えるため、はがすときに皮膚が伸びてしまいケアを怠ると皮膚表面にダメージを与えかぶれを起こすこともあります。デリケートなまぶたにとってのりやテープは相当な負担になるので、毎日続けてしまったことで赤みや腫れが出てきてしまっていました。

Bさんのかぶれは処置が可能な段階でしたので無事施術に至りましたが、かぶれを繰り返してしまうと皮膚が伸びきってしまい、眼瞼下垂の手術がより難しくなる場合があります。アイプチ以外にも手軽に二重になれると評判のメイク法が多々ありますが、濃いアイメイクはまぶたの皮膚にとって負担を大きくしてしまいます。

健康的な目元を保つために

アイプチやアイメイクが原因の眼瞼下垂はキレイになりたいと思って続けた行動が結果として目の健康を損なうことにつながってしまった例です。コンタクトレンズと同じく使用そのものに問題はありませんので、使用回数を減らす、アイメイクは専用のアイメイクリムーバーを使い優しく丁寧に落とすといったように日々の生活習慣を見直していきましょう。

眼瞼下垂を防ぐセルフケア

  • 必要以上に眼に負担をかけないため、コンタクトレンズを外すときはゆっくり行う
  • コンタクトレンズの使用時間を守り、メガネの使用時間を増やす
  • アイプチやアイメイクをしないノーメイクの日を作り、まぶたを休める
  • メイクを落とすときには専用のリムーバーを使用し、お肌に痛めないようしっかり丁寧に落とす
  • ゴシゴシと目をこする行為は控える

早期受診で適切な治療を

神戸アカデミアクリニック院長 木谷 慶太郎

コンタクトレンズや二重にするためのメイクは理想の目元を演出するための道具の一つですが、間違った使用法やケアの怠りにより眼瞼下垂を引き起こし元の目元にさえ戻らない可能性があることを忘れてはなりません。理想の目元からどんどんかけ離れてしまわないよう、正しく使用すると同時に使用を控える日を作り、目の負担を極力減らしていくことをお勧めします。

コンタクトレンズやアイプチを日常的に長期間使用している方は、まぶたが下がってきていないかまずはセルフチェックを行ってみましょう。すでに眼瞼下垂の症状が出始め、上まぶたが下がってきている・ひどい頭痛や肩こり・まぶたが開けにくく感じるといった場合、早めに専門医へ受診することが必要です。まぶたのかぶれや赤みも放置してはいけません。皮膚そのものが健康でないと眼瞼下垂の施術にも支障を来たす場合がありますので、まずは健康な目元を維持するよう心掛けてください。

神戸アカデミアクリニックではお一人お一人の症状に合わせ、神戸大学形成外科との連帯し目元専門治療を行っております。目の開きにくさや視野の狭さを改善し、より美しい目元を目指す方に最適な治療をご提供します。